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Kは何処へ。まあ、都合の良いタイトルですね。 Kが大好きな楠本まき先生の作品です。「Kの葬列」って…(縁起悪いけど。 ちょっと思い出してAQUIZも読み返してみたら、やっぱり面白かった。 どの作品も、繊細な線と描写で哲学的な美しさがありますが、。「Kの葬列」が、僕の思い浮かべる「楠本まきタッチ」の代表です。もっと近作も好きなんだけど。 敢えて「作中の出来事」だけを拾い上げるなら、あるアパートメントに越して来る少年。その途中の墓地で行われていたKと云う青年の弔い。そして、その死は確かであるのに、死体が見つからないのだと。 葬列に参加していたアパートメントの住人たちは、揃いも揃って変人ばかりだが、順を追ってみれば、皆がKの死に関わっていそうで…そうでは無いと判る。 Kの持ち物であったらしいパズルリングは、どうしても最後の1コが見つからない。 ある面では、死体(及び、死の真相)探しのミステリです。 そして、もうひとつ。 冒頭の、夢のエピソードのような、物語全体を象徴するイメージのような短編のタイトルは「螺旋」。ここに、全編の答えがあります。 物語は、この「螺旋」の後に、本編である「Kの葬列」、そして短いエピソード素本から成ります。 Kに恋をした醜いオカマのエピソード。 そして、アパートメントを訪れた少年のエピソード。 そして。 「Kの葬列」 「Gの昇天」 「utero」 「intro」 そして、騙し絵のように描かれた「l」、「t」、「y」…? 罪人は、誰なのか。 答えから外れた「螺旋」が、すべてを示しています。 弔いで始まり、弔いで終わった物語は、堂々巡りにしか見えませんが、始点と終着点は、まるで違う場所にあるのです。 螺旋の中央を「潜った」少年とKは、物語を終え、完成しないパズルリングを遺された少女は、そこに辿り着かない。 コメント
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