性別の無い師匠・K(半陰陽)の部下として過ごしてます。恋愛に持ち込むのが嫌で迷走中。腐女子傾向のある20代オタク男日記。
最近は「ヘタリア(キタユメ。)」感想が増殖中。「手当たり次第」なカテゴリ不問の本好きコミュニティ作りました。

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狂わずに潜る。(1
「狂王の試練場」。

 邪悪な魔術師が、強力な護符を奪って逃げ、迷宮の奥深くに潜った。
 君主トレボーは報奨金を掲げて、奪還を命ずる。
 冒険者たちは、魔物が犇めく迷宮に向かうのだが…

 これが、同作の物語です。
 単純明快ではありますが、ファンタジィの設定として、おかしな点はないようです。膨らませようとすれば、どんなに長い小説にもなりそうです。


 さて、既に多くの考察が発表されていますし、小説なども出版されています(当り前です、世界中で遊ばれたゲームであり、20年も前の作品です)。
 が、敢えてゲームを遊んだ情報だけで、物語を妄想してみました。

 まずは「狂王」トレボー。護符を盗んだのは邪悪な魔法使いだと云いますが、この王(翻訳上の都合もあったのだろうと思いますが、現代の「国王」と云うよりは中世ヨーロッパの大きな都市の君主の印象)。
 トレボーこそが、この物語の根源であるようにも取れるのです。
 邪悪な魔法使いの生み出した迷宮であると云いますが、恐る恐る足を踏み入れ、魔物を打ち破りながら、どうにか深い階層まで辿りつきます。
 強力な番人を倒し、先へ進むと…

 そこで、当のトレボーからのメッセージが披露されるのです。
 宝物庫(残念ながら空なのですが)、魔物配備の司令室の奥のことです。
 ここは、邪悪な魔法使いの住処ではなかったのでしょうか。
 さらには、より深い階層へ進むためのエレベータを使うための鍵となるリボンが見つかります。
 そう、邪悪な魔法使いの手に、強力な護符が渡れば惨事も予測されると、決死の覚悟で進んだ先です。そこに至る道は、狂王が、旧知の魔法使いに挑むほどの実力者を選抜するための「試練場」に過ぎなかったようなのです…

 このように明示されているわけではありませんが、他に考えられません。
 
 手駒となる冒険者を集め、鍛え、抱え込むため。
 魔法使いと結託していたのか…まではわかりません。
 ですが、弱い者は使い捨てれば済むと、大勢の若い冒険者を迷宮に放り込む狂った王の所行。深い迷宮の底で、魔物に周囲を固めさせた魔法使いは、確かに平和的で健全な人物ではないでしょう。しかし、彼は十代半ばの少年少女を手当たり次第に魔物の前に立たせたわけではありません。

 そうした「裏」は、もうひとつのメッセージで疑念を増してくれます。
 迷宮深部で、冒険者たちは魔法使いからの通告を見つけます。
 私有地への不法侵入に対する、定型的な警告文の後に、
 
「わたしの護衛を倒せまい、手懸りをやろう」

 武器ひとつ、薬草1本持たせてくれない狂王。
 皮肉いっぱいに、しかも真意を計りかねる言葉ながらも、辛うじて「逃げ道」を見せる余裕ある邪悪な魔術師です。これが、虚勢でないことも、間もなくわかります(なにしろ、自分の居室に堂々看板を掲げているのです)。

     "CONTRA - DEXTRA AVENUE"
       PS - TREBOR SUX !


「反右通り」。
 
 反右…つまり左の道のこと。
 でも、それが「逃げ道」を示しているのでしょうか。或いは、そこが自らの住まいであるのか。
 日本語で云えば、古文のような(でなければ漢文のような)書き方をしているので、どうにも計りかねるのです。不成功の道とも、反正義の道とも解釈できるのです。
 送り込んだ若き冒険者が、無惨な姿で迷宮から運び出されても、トレボーが悲嘆にくれることなどないと、魔術師は知っているのではないでしょうか。次々と、新しい若者を送り込めば済むのです。
 それよりは、自分の助言に従い、自分の警告を戒して、送り返されてしまう冒険者… その姿こそが、トレボーを嘲け笑うのに、うってつけだと考えたのではないでしょうか。

 いや、それよりも何よりも、最後の一文…

「追伸・くたばれトレボー」

 …邪悪な最強魔法使い(ジジイ)、…ツンデレ?
 
 
 素敵ウェブコミック「Axis powers ヘタリア」
 書籍化おめでとう&ありがとうございます月間開催中(勝手に。
 日丸屋"魔王"秀和さまのサイト「キタユメ。」